日本の冬は、外に出る理由が少し減る季節かもしれません。
私の住む地域は冬がとにかく寒い。1月から2月中旬くらいはの時期を、もう少し軽やかに過ごせたら――そんな発想から、冬に暮らせる地域を調べました。
旅行先ではなく、「暮らす場所」として。
そこで目に留まったのが、スペイン南部のアンダルシア地方でした。
日本人にとって「アンダルシア」という名前は、実はどこかで聞いたことがある響きかもしれません。フラメンコの発祥地として知られ、白い壁の町並みや強い日差しの風景は、テレビや写真集を通して思い描く“スペインらしさ”そのものでもあります。
場所を正確に知らなくても、なぜか情景だけは浮かんでくる――そんな不思議な地域でした。
アンダルシアってどこ?
アンダルシアはスペイン南部に広がる自治州で、地中海と大西洋の両方に面しています。ヨーロッパの中でも日照時間が長く、イスラム文化とキリスト教文化が交差した歴史を持つ、独特の空気を感じられる地域です。
白い壁の街並み。
オレンジの木が並ぶ広場。
夕方になると人が自然と外へ出てくる生活。
観光地として知られる場所も多いですが、調べていくうちに「旅先」というより、日常そのものが外へ開かれている地域という印象を持ちました。
アンダルシア地方には、セビリアやグラナダ、コルドバ、カディス、そして地中海沿岸の都市マラガなど、個性の異なる都市が点在しています。
代表的な都市をいくつか
セビリア(Seville)
アンダルシアの中心都市。オレンジの木と広場文化が象徴的で、歩いているだけでヨーロッパらしい時間の流れを感じられます。
グラナダ(Granada)
アルハンブラ宮殿で知られる歴史都市。シエラネバダ山脈のふもとにあり、文化的な密度の高さが印象的です。
コルドバ(Córdoba)
イスラム文化の名残を色濃く残す静かな古都。観光地でありながら落ち着いた空気があります。
カディス(Cádiz)
海に囲まれた港町。ヨーロッパでも最古級の都市のひとつとされ、ゆったりとした時間が流れています。
マラガ(Málaga)
地中海沿岸に位置する温暖な都市で、冬でも比較的安定した気候が続くことで知られています。長期滞在者も多く、冬の拠点として名前が挙がることの多い街です。マラガについては、別記事で詳しく紹介しています。
1 地中海の陽気とアートが詰まった街、マラガ
2 マラガ-ライフスタイル別おすすめエリア5選
冬の気温を見て印象が変わりました
冬の滞在先として気になった最大の理由は、やはり気候でした。
1月から2月、日本が最も寒い時期の平均気温を見てみると、ヨーロッパの印象が少し変わります。
| 都市 | 平均最高気温 | 平均最低気温 |
|---|---|---|
| セビリア | 約18℃ | 約7℃ |
| コルドバ | 約16〜18℃ | 約5〜7℃ |
| グラナダ | 約13〜15℃ | 約2〜4℃ |
| カディス | 約16〜18℃ | 約10℃前後 |
| マラガ | 約17〜19℃ | 約9〜11℃ |
冬でも日中は15℃を超える日が多く、晴れていれば軽い上着で歩けることもあるようです。
数字だけを見ると「暖かい春」というほどではありません。でも、太陽の下で外に出られる冬というだけで、生活のリズムは大きく変わりそうに感じました。朝に散歩へ出ることが自然になり、カフェに座る時間が日常になる――そんな過ごし方が想像できます。
なぜ長期滞在者が集まるのか
さらに調べていくと、アンダルシアには冬になるとヨーロッパ各地から長期滞在者がやってくることを知りました。
数日間の旅行ではなく、数週間から数ヶ月単位の滞在です。
理由はとてもシンプルでした。
- 冬でも街を歩ける気候
- 外食文化が日常価格で楽しめる
- 人が外で過ごす時間が長い
- 歴史や文化が日常の背景にある
つまりここは、「観光をする場所」ではなく、季節を変えて暮らす場所として選ばれている地域なのかもしれません。
冬を移動するという考え方
一年中同じ場所にいるのが当たり前だと思っていましたが、季節に合わせて生活の場所を変えるという考え方は、世界ではそれほど特別なものではないようです。
寒い冬だけ暖かい場所へ。
暑い夏だけ涼しい場所へ。
移住ではなく、季節の選択。
アンダルシアを調べているうちに、「冬は我慢するもの」という前提そのものが、少しだけ変わり始めている気がしています。
次に気になった、小さな町
アンダルシアの都市を見ていく中で、もう一つ気になる場所が出てきました。
大都市ではなく、地中海沿いの静かな町。
ヨーロッパの長期滞在者が、なぜか毎年戻ってくるという場所です。
次回は、その町――ネルハ(Nerja)について書いてみたいと思います。
観光地としてではなく、
「冬を暮らす場所」という視点で。
